手探りでも前へ。それが僕らの寺院スタグラム
このSpecial座談会、最後の質問です。
この記事をご覧になっている方の中には、「どうすればインスタうまくいくの?」と思っておられるお寺さんもいらっしゃるかもしれません。
そこで、皆さんのこれまでの経験から、「こうすればうまくいくかも!?」というヒントがあれば、お聞かせください。
また、反面教師としての「しくじり」エピソードがあれば、それもぜひ!(笑)
しくじりだったら、少し多めの「いいね!」をいただいた後の投稿で、調子にのって投稿した写真がスベッたこと(笑)
しくじりなら、いくらでも(笑)
文化財の画像や参拝者の肖像など、気づかずに投稿してしまって、後でこっそり消したりとか。
恥ずかしながら、誤字脱字は日常茶飯事。その度に修正しています。
「こうすればうまくいくかも」って、そんなんがあれば、むしろこっちが欲しいぐらい(笑)
これまで何かを参考にされたことって、ありますか?
私は、岡寺の写真を上げてくれてはる人のところに見に行ったり、そこに「いいね!」を押したりしてます。
これって実は、長谷寺の瀧口さんから学んだことなんですよ。
長谷寺の公式インスタグラムを始めるときに、ほかのいろんなお寺さんを参考にしたんです。
当時は皆さん、コメントがあっても返信をされていなくて。
長谷寺では差別化を図るため、初期のころは一つ一つコメントを返してたんです。
大変だったでしょう?
すごく気は使っていました。
一つ一つのコメントにちゃんと向き合う形で答えてたつもりですし、私個人の感情は一切入れていません。
長谷寺のインスタグラムを見てくれてる人は、私ではなく長谷寺を見てくれてるんで、なるだけ「私」を出さない工夫をしてきました。
だから、これからも長谷寺というイメージを絶対崩さないようにしていきたいと考えています。
(般若寺の工藤さんをちらり)
うちがアドバイスできるようなことは…(汗)
(期待を込めて再度ちらり)
強いて言えば…。
岡寺さん・長谷寺さん・室生寺さん、このお三方のアドバイスをしっかり聞きましょう!
(爆笑)
絶妙の返しをいただき、最後うまく締めることができました(笑)
Special座談会、これにて終了です。
岡寺さん、長谷寺さん、室生寺さん、般若寺さん、本当にありがとうございました!
後記
3回にわたってお伝えしてきた「これが奈良の寺院スタグラム」、いかがでしたでしょうか。
今回のSpecial座談会を通して 編集部が感じたのは、「お坊さんなのにインスタ?」という問いに対する、「お坊さんだからこそインスタ!」という確かな答えでした。
自分のお寺の魅力は、自分たちで伝える。
そう決めた4寺院の僧侶は、自らカメラを手にし、インスタグラムを始めました。
袈裟姿でシャッターを切る彼らの写真には、仏教者としての曇りなき祈りと願いが込められており、それは令和を迎えたこの現代社会において、「形を変えた布教の一つ」と言ってもいいでしょう。
すべては、祈りの聖地であるお寺を、100年先、1000年先につなぐため。これが奈良の寺院スタグラムです。
(ならめがね編集長/松原雄一)
2020年7月22日公開
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※本記事の取材・撮影は2020年6月、新型コロナウィルス感染拡大防止の対策を講じた環境のもとで行いました。
※記載の情報はすべて同年6月末現在のものです。
取材協力/岡寺、長谷寺、室生寺、般若寺
撮影協力/橋本屋
聞き手・文/ならめがね編集部、上乃ゆか
撮影/中井秀彦