これぞ和製エコバッグ!ホテルがプロデュースするエシカルな風呂敷
エコへの意識が高まる昨今、日本の伝統文化の“あるもの”が大注目されています。
それは皆さんよくご存じの、風呂敷(ふろしき)です。
世界遺産・興福寺の近く、猿沢池の畔に建つホテル「セトレならまち」では、2020年7月から鹿の子模様の風呂敷の販売を始めました。
デザインを手がけたのは、環境にやさしいデザインを心掛けているというオーストラリア人の女性デザイナー。
やさしい色合いの鹿の子(かのこ)模様がおしゃれです!
風呂敷は自由自在。
アイデア次第でどんな使い方もできます。
折りたたむと、かさばらないのも風呂敷の魅力。
小さく折りたたんでバッグにしのばせておけば、予定外のお買い物のとき、とても便利です。
セトレならまちでは、すべての客室にこの風呂敷が常備されており、宿泊客は館内を移動するとき、携帯電話やお財布などを入れて使っているのだとか。
それをきっかけに風呂敷の魅力にはまり、購入して帰る方も多いそうです。
セトレならまちは今年4月、鹿を守るプロジェクト「SAVE THE DEER」を発足。
そのきっかけは、奈良公園の鹿が、捨てられたプラスチックの袋を誤飲して命を奪われるという悲しいニュースを目にしたことです。
「鹿に有害な袋を減らし、人にも環境にもやさしいものを」。
そんなエシカルな観点から生まれたのが、この風呂敷です。 売り上げの一部は、鹿の保護活動を行う「一般社団法人 奈良の鹿愛護会」に寄付されています。
ここで、ちょっとだけ豆知識を。
物を包む布自体は、奈良時代にはすでにあったそうです。
「風呂敷」という名前が使われるようになったのは室町時代に入ってからのこと。
名前の由来は、風呂でスノコの上に敷くものだったことから“風呂敷” と名付けられたという説があります。
包んで、結ぶ。
それだけでフレキシブルに使える風呂敷は、最強のエコアイテムです。
和のゆかしさを、日々の暮らしに。
鹿への思いが詰まったこの風呂敷で、始めてみませんか。
2020年8月23日公開
セトレならまち
住所 奈良県奈良市高畑町1118
電話 0742-23-2226
定休日 火曜(祝日、夏期、年末年始を除く)
https://www.hotelsetre.com/naramachi/
※2020年8月現在の情報です。
取材協力/薬師寺、セトレならまち
取材・文/白崎友美(ならめがね副編集長)
撮影/楠本夏彦、編集部