
“奈良の秋といえば”でおなじみ!今年も正倉院展の季節がやってきました。
73回目を迎える今展、聖武天皇の遺愛品である円い胴の絃楽器「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」などの楽器をはじめ、仏具や調度品、文房具など正倉院宝物55件(うち初出陳8件)が展示されます。
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なかでも編集部が注目したのは、筆、墨、硯(すずり)、紙などの文房具。
奈良時代の写経や古文書がたくさん残ることから、書に関する文房具は欠かせないものだったと想像に難くありませんが、正倉院に残る文房具はやはり当時の一級品ばかり。


特に硯は、正倉院に伝わるものとしてはたった一つだけ。「青斑石硯(せいはんせきのすずり)」です。

私たちが普段使用する硯とは形状が異なり、硯の周りに六角形の床石、その下に木製の床脚(しょうきゃく、台脚のこと)が付いています。
外形が漢字の「風」に似ていることから「風字硯(ふうじけん)」と呼ばれる硯で、国内最古の風字硯なのだそう。
さらに!この硯。なんとまだ墨の香りが残っているそうなんです!(学芸部の研究員さんに教えていただきました)
1300年前の硯から今も墨の香りがするなんて。ロマンがあります。

正倉院展のお楽しみ!展示を観終わったら、グッズ売り場へもぜひ。
今展も素敵なグッズが目白押しです!


天皇の華やかなご遺愛品から役人が書いた古文書まで、今展も天平の息吹が感じられる多彩な宝物がたくさんあります。ぜひご覧ください!

奈良国立博物館にて開催
▼データ
■会期:令和3年10月30日~11月15日
■会場:奈良国立博物館
※観覧には前売日時指定券の予約・発券が必要。当日券の販売はありません。
■公式URL https://shosoin-ten.jp/

取材協力/奈良国立博物館
取材・撮影/編集部