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華麗なる天平ファッション

  • 天平, 平城宮跡

奈良時代の装束を現代に

あでやかな色彩、優美なフォルム、ハイセンスなコーデに、ため息がこぼれます。
奈良時代の貴族たちが着ていた装束を、現代に再現した「天平衣装(てんぴょういしょう)」。
1300年近く前、遣唐使を通じて平城京にもたらされた唐(中国)の最新ファッションは、今もモダン。時代を超えて、多くの女性の憧れです。

天平衣装といえば、世界遺産・平城宮跡で行われる「天平祭」などの天平行列で、初めて目にしたという方も多いはず。
その衣装製作を手がけているのが、万葉衣装服飾家の山口千代子先生です。

正倉院宝物や仏教絵画など、現存する資料を手がかりとしながら、そこに服飾家ならではの洋裁スキルと、女性のやわらかな感性をプラスして製作される天平衣装は、実にエレガント。
ここでは、山口先生が手がけた作品の一端をご紹介します。

宮廷でのドレスコード「朝服(ちょうふく)」

身分の高い貴族女性や、宮廷で働くキャリアウーマンが、宮廷内で普段身に着けていたのが「朝服」。正倉院宝物「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」に描かれている女性が着ているのも、朝服です。
長いひだのあるハイウエストのロングスカートや、腰の前で蝶結びにした帯がキュート。軽やかで華やいだ印象です。

清楚で可愛らしいコーデ。使える色が厳格に定められていた当時、この朝服のように染めの回数が少ない「浅色(あさきいろ)」は身分の低いものが身に着ける色でした
高位の女官をイメージ。大きな花柄のベストを着け、デキる女性といった感じです。華美になり過ぎないよう、ピンクに近い薄紫のスカートと合わせて

装束にアクセントをつける小物たち

高貴な女性は人前に顔を見せないのが当時の慣習。幅広の扇のような「翳(さしば)」は、言わば“携帯版の御簾”。自ら持って顔を隠したり、下位の女官に差しかけてもらっていました
「領巾(ひれ)」は、今でいうストールのようなアイテム。もともと騎馬民族が寒い日の襟巻にしたり、土埃よけに使ったりしていたものを、中国に渡ってお洒落を重視したものへと変化しました
女性用の靴は、今のパンプスそっくり!左の靴は、デッキシューズに金襴(きんらん)を貼り付け、下部に手芸用ブレードを付けて製作

高貴な美しさが香る「礼服(らいふく)」

位階五位以上の身分の高い貴族が、重要儀式の際に着たのが礼服です。
例えば、天皇が皇位継承に伴って一世に一度だけ行う大嘗祭(ルビ:だいじょうさい)や、元日に天皇が大極殿で群臣から年頭のお祝いの言葉を受ける朝賀のときなど。
衣装に使える色は身分によって厳しく制限されていましたが、女性の場合は本人の位の色以外に、夫や父親の位の色以下であれば着ることができました。
男性よりも女性のファッションの幅が広いのは、当時も一緒だったみたいですね。

天智・天武両天皇から求愛されたと伝わる絶世の美女・額田王(ぬかたのおおきみ)をイメージして製作された礼服。吉野で行われた朗読劇『額田王と吉野』で、額田王役を演じた女優・松坂慶子さんが着用されました
「袍(ほう)」と呼ばれる赤の上着が明るく活発な印象を与える礼服
喪に服す際のコーディネートがこちら。「大伴家持が亡くなった時、夫人が着た悲しみの衣装」をイメージして製作された礼服です。中国の敦煌(とんこう)の壁画を参考に作られました

奈良には洋服のルーツがありました

「華麗なる天平ファッション」、いかがでしたでしょうか?
和服といえば、平安時代に完成した女房装束の十二単(じゅうにひとえ)がよく知られていますが、それよりも古い奈良時代に、こんな華やかな装束を着ていたなんて、ちょっと驚きですよね。

奈良時代、遣唐使が唐(中国)から持ち帰った衣装は、それ以前にはなかった新しいスタイルのもので、「洋服のルーツ」といえるものでした。
つまり日本の歴史の中で、古代にも洋服の時代があったということ。これって、日本のファッション史のイメージが変わる、面白いトピックだと思いませんか?

衣装製作・取材協力/山口千代子(万葉衣装服飾家)
ヘアメイク/岡本矢永子(TAO)
衣裳製作協力/石井富美子、原和子、松宮由美、辛島千紗子、青木美和子、森和美
撮影/中井秀彦
モデル/中島志佳

関連先リンク集

万葉衣装企画・山口

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