
奈良市の海龍王寺で、一日限りの特別御朱印がいただけます。
海龍王寺では通常、「妙智力」と記された御朱印を授与していますが、寺名の由来となった「海龍王」の御朱印は今回が初めて。とても貴重な機会です。
特別御朱印が授与されるのは、2020年9月3日(木)。
この日は、お寺に龍王の御魂(みたま)が祀られたと伝わる特別な日で、海龍王の縁日にあたります。

海龍王とは、「海龍王経」という経典に記される龍王のこと。
奈良時代、唐に渡って最新の仏教を学んでいた高僧・玄昉(げんぼう)は、船で日本に帰国する途中、嵐に見舞われます。
しかし航海の安全を願って「海龍王経」を一心に唱えたところ、無事帰国を果たせたといいます。

今回いただける「海龍王」の特別御朱印がこちら。
上質な奉書紙を使った「書き置き」タイプで、サイズは縦15.5㎝×横11㎝。

特別御朱印の「海龍王」の3文字は、『海龍王経』の経典からとったものだそう。
奈良時代の経典の文字を、御朱印としていただけるなんて、素敵ですね!

朱印のデザインモチーフとなった舎利塔は海龍王寺の寺宝で、重要文化財(※現在、奈良国立博物館に寄託中)。
精緻な彫金が凝らされ、鎌倉時代以降に流行した火焔宝珠形舎利塔(かえんほうじゅがたしゃりとう)の代表作ともいわれています。

ご住職の石川重元さんは今回の特別御朱印について、
「舎利塔の宝珠からお釈迦様の知恵を授かり、玄昉が嵐の海を乗り切ることができた海龍王経の力強さを感じることのできる御朱印です。ともに世情の荒波を乗り越えましょう」とお話しくださいました。

この機会にぜひ、奈良時代の力強さが込められた御朱印をいただき、苦境を乗り切るパワーをもらってください!

※特別御朱印は、密を避けるため整理券が配布されます。
※郵送及び取り置きは受け付けておりません。
※御朱印は拝観された方のみ授与いただけます。
2020年8月25日公開
※2020年8月現在の情報です。
取材協力/海龍王寺
取材・文・撮影/編集部