
江戸時代の版木で刷ったお札を200年ぶりに復刻!
今、世界中が願う、新型コロナウイルス感染症の早期終息。
岡寺では、悪疫除けの「祈祷札」を無料で授与されています。
このお札は、岡寺に江戸時代から伝わる版木を使って刷られたもの。
剣を振り上げて悪疫を振り払おうとする「鍾馗(しょうき)さん」の横に、「悪疫悉除(あくえきしつじょ)祈祷札」の文字が添えられています。
江戸時代には疫病が流行ると「祈祷札」が配られており、そうした習慣にちなみ、今回約200年ぶりにこのお札を復刻しました。

鍾馗さんの縁起については諸説あるそうですが、中国・唐の六代皇帝玄宗(げんそう)が瘧(おこり。マラリアに似た熱病)にかかって床に伏せた時、夢の中で玄宗を苦しめていた小鬼を鍾馗が退治。玄宗が目を覚ました時には病が治っていたことから、以来、鍾馗図は悪疫除けとして祀られるようになったといいます。

宗教者として、お寺として、今できることを
今回、200年ぶりに祈祷札を授与することを決めたことについて、副住職・川俣海雄さんはこう話します。
「新型コロナウイルス感染症がこれだけ拡大するなかで、お寺として何かできないかと思い、江戸時代に配っていた祈祷札をお配りしたいと思いました」。

いま日本中が、世界中が不安な気持ちを募らせるなか、岡寺は200年前の江戸時代の人々の心を救ったように、この祈祷札で少しでも私たちの不安を取り除こうとしてくれています。
「日本最初の厄除け霊場」として信仰を集める古刹が、祈りをこめて授けてくれる祈祷札。
これほど、ありがたいことはありません。

2020年4月6日公開
岡寺の情報
※2020年4月現在の情報です。
取材協力/岡寺(龍蓋寺)
取材・文/白崎友美(ならめがね副編集長)
撮影/編集部