

奈良の歴史あるお寺を訪ね、季節ごとに名花を活写する「お寺で写花」。
冬編となる今回は、お寺だけでなく神社も加えた4社寺をご紹介します!
12月から2月にかけて編集部が撮り下ろした、とっておきの花写真をどうぞ。
水仙
【開花時期】12月下旬~2月上旬
撮影/2021年1月上旬
冬に咲くことから「雪中花」とも呼ばれる水仙ですが、般若寺では50年ほど前から咲くようになり、今では約3万本が育てられています。花弁が一重の「ニホンスイセン」と八重の「チャフルネス」、2種類の水仙を見ることができます。

寒牡丹と蝋梅
【開花時期】寒牡丹11月下旬~1月上旬、蝋梅1月中旬~2月下旬
撮影/2021年1月中旬
人の手がほとんど入らない自然の状態で開花する「寒牡丹」。石光寺の境内では、藁苞(わらづと)の傘をかざした寒牡丹が、赤・白・桃色の花を咲かせます。その数30~40種類。また寒牡丹を追いかけるようにして見頃を迎えるのが蝋梅(ろうばい)。蝋細工のような光沢の黄色い花を咲かせ、甘くていい香りを周囲に漂わせます。

梅
【開花時期】2月上旬~3月上旬
撮影/2021年2月上旬
日本最古の天満宮であり、菅原道真公の生誕地ともいわれる古社。毎年2月上旬~3月上旬、道真公とゆかりの深い梅の花にちなんで「盆梅展」が開かれます。境内には「早咲き・中咲き・遅咲き」合わせて、約100品種300鉢もの盆梅が期間中、展示されます。

梅
【開花時期】2月中旬~3月上旬
撮影/2021年2月下旬
庭園「華楽園」の奥に咲く見事な枝垂れ梅は、約40年前に俳人・橋本多佳子の句碑とともに植えられた1本。見頃になると、天から薄紅色の花々が降り注いでいるかのような光景に。また普段立ち入ることのできない東書院の南側には、京都の仙洞御所から移された由緒ある「仙洞紅梅」が立っています。見頃は毎年3月1日~14日に開催される「古代ひな人形展」とほぼ同時期で、この2週間だけ、仙洞紅梅のあるエリアに入ることができます。

協力/般若寺、石光寺、菅原天満宮、法華寺
撮影・文/編集部