談山神社(たんざんじんじゃ)は桜井市にあり、「大化の改新」発祥地としても知られる名社です。
こちらの紅葉の見頃は、例年11月中旬から12月初旬。
モミジやカエデ、ドウダンツツジなど、約3000本にも及ぶ紅葉が山を秋一色に染め上げます。
談山神社は、JR・近鉄桜井駅から10㎞前後。
多武峰(とうのみね)の山腹に鎮座します。
談山神社を遠望すると、境内全体がカラフルな紅葉で埋め尽くされているのがわかります。左に見えるのは十三重塔、右は本殿と拝殿(2020年11月中旬撮影)
ご祭神は藤原鎌足(ふじわらのかまたり)公。
神社の名は、鎌足が中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と「大化の改新」の談合を行った談山(かたらいやま)からついたとされます。
門前には、お土産や軽食のお店が並んでいます。紅葉狩りのあと、立ち寄るのが楽しみ
拝殿へと続く大鳥居。左手前に「正面入山入口受付」があります
入山は、「正面入山入口受付」から。
大鳥居をくぐると、拝殿へと至る 石段140段が続きます。
石段140段。両側にモミジが折り重なっています。光の当たり具合によって紅葉の色づき具合に差があり、この日は青モミジから赤モミジへと変わる節目のタイミングでした(2020年11月中旬撮影)
石段をある程度上がったところで、ふと足を止め、空を見上げると、、、
赤・黄・オレンジ…、美しい紅葉のグラデーションが頭上を覆います。奥に見える朱塗りの建物は拝殿。石段を上がりきって右手にあります(2020年11月中旬撮影)
恋神社に続く「恋の道」。この先に恋神社があります
恋神社。ご祭神は鎌足公の妻で、恋の神様として知られる鏡女王(かがみのおおきみ)。恋愛や結婚はもとより、人間関係の結び神として厚い信仰を集めます
いよいよ拝殿へ。
談山神社のご祭神・藤原鎌足公に拝礼しましょう。
拝殿(重文)を下から。南面していて、そのすぐそばに背の高い立派なモミジが色づきます
鎌足公をお祀りする本殿(重文)。極彩色模様や花鳥などの彫刻で装飾された絢爛な社殿です。日光東照宮を造営する際のお手本となりました
本殿をお参りし、後ろを振り返ると、とびきり素敵な紅葉景色が。
拝殿の広間から見える景色。扉越しに紅葉するモミジは、まさに自然が描く壮大な屏風絵(2020年11月中旬撮影)
拝殿回廊の吊り灯篭。拝殿には回廊がめぐらされていて、外に出ることができます。高所から愛でる紅葉景色は圧巻ですよ
「紅葉みくじ」200円。和歌と運勢が書かれていて、談山神社ゆかりの「開運シール」付き。拝殿を出てすぐの授与所で引くことができます
拝殿をあとにしたら、そのまま真っすぐ西へ。
十三重塔が真正面に現れます。
十三重塔(重文)。談山神社のシンボル的存在で、はっと目が留まります(2020年11月中旬撮影)
高さ約17m。屋根は伝統的な桧皮葺(ひわだぶき)で、木造十三重塔としては世界唯一
十三重塔の西側にある権殿(ごんでん)や比叡神社付近のイチョウも見事。筆者がひそかに好きなスポットです
権殿のある高所から望む「蹴鞠(けまり)の庭」。南から射すやわらかな陽光が、紅葉本来の色合いをやさしく照らし出します
「蹴鞠の庭」からの眺め。紅葉をバックに、左から権殿(ごんでん)、十三重塔、神廟拝所(しんびょうはいしょ)が立ち並んでいます。いずれも重文(2020年11月中旬撮影)
「蹴鞠の庭」にはベンチもあります。
ゆっくり腰を落ち着けて紅葉を楽しむ、それもまたいいですね。
神廟拝所越しの十三重塔。モミジの下から眺めると、いっそう華やかな紅葉景色に(2020年11月中旬撮影)
見所満載の境内は歩いて楽しく、山を秋一色に染め上げる紅葉のスケール感はとにかく圧倒的!
談山神社に行くと、心が浮き立つ紅葉狩りをたっぷり満喫できますよ。
2021年11月12日公開
談山神社の情報
※2021年11月現在の情報です。
取材協力/談山神社
取材・撮影/編集部
【紅葉名所 】
隠れ里でしっとり、
円成寺の紅葉
鹿たちも戯れる、
奈良公園の紅葉
借景にため息こぼれる、
依水園の紅葉
神さびた古色を醸す、
等彌神社の紅葉
山を秋一色に染める、
談山神社の紅葉
錦色に彩られる、
正暦寺の紅葉
深山幽谷に色づく、
室生寺の紅葉
社殿を紅黄に染める、
瑜伽神社の紅葉